坂口安吾の破壊的な名言・格言134個紹介

46.

夫婦は愛し合うと共に憎しみ合うのが当然である。かかる憎しみを恐れてはならぬ。正しく憎み合うがよく、鋭く対立するがよい

– 坂口安吾 -7550

47.

個人の自由がなければ、人生はゼロに等しい。何事も、人に押し付けてははならないのだ

– 坂口安吾 -7628

48.

ほんとの幸福というものはこの世にないかも知れないが、多少の幸福はきっとある

– 坂口安吾 -7647

49.

小さな自己への怖れを知る人でなくては、物の正しい姿を認定することはできない

– 坂口安吾 -7601

50.

純などというのはつまらぬ時間の差で、しかも甚しく誤差の起りやすい要素をふくみ、わが子に対してそんな判断で安心していると、長じて忽然と妖怪化して手に負えなくなるのである

– 坂口安吾 -7603

51.

元来、傑作というものは、目がとどかない作品なのである。かゆいところへみんな手がとどくというのは、実生活には大そう便利であろうが、芸術の傑作にはならない

– 坂口安吾 -7632

52.

大げさすぎたのだ。限度。学問とは、限度の発見にあるのだよ

– 坂口安吾 -7570

53.

原子バクダンの発明以来、文明はその極限に来たかのような考え方が少からず行われているようであるが、原子バクダンなどというものは人を叩きつぶすだけの道具で、人を殺すぐらいカンタンなものはありやしない

– 坂口安吾 -7631

54.

恋愛は、言葉でもなければ、雰囲気でもない。ただ、すきだ、ということの一つなのだろう

– 坂口安吾 -7534

55.

犯罪というものは、ともかく当人がギリギリに追いつめられて切羽詰まった感があるから、救いもあるし、憎めないところもあるのが普通である

– 坂口安吾 -7557

56.

文学者、もっと、ひどいのは、哲学者、笑わせるな。哲学。なにが、哲学だい。なんでもありゃあしないじゃないあか。思索ときやがる

– 坂口安吾 -7546

57.

いのちを人にささげる者を詩人という。唄う必要はないのである

– 坂口安吾 -7658

58.

他のためにいのちをすてる、戦争は凡人を駆って至極簡単に奇蹟を行わせた

– 坂口安吾 -7573

59.

単なる写実は芸術とは為り難いものである。言葉には言葉の、音には音の、色には又色の、もっと純粋な領域があるはずである

– 坂口安吾 -7566

60.

敗戦後の日本に現れたニューフェースの筆頭は公認された日本共産党であったろう。しかし、これぐらい内容拙劣なニューフェースは他に例がなかった

– 坂口安吾 -7558

61.

中立だどというものは議会政治の邪魔者に過ぎない

– 坂口安吾 -7564

62.

(恋愛とは)所詮幻影であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、それをするな、といい得ない性質のものである。それをしなければ人生自体がなくなるようなものなのだから。つまりは、人間は死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまえということが成り立たないのと同じだ

– 坂口安吾 -7663

63.

文学上の大傑作は「トマサンの一生」と同じように実に目のとどかない作品であるが、現世の人情に盲いて目がとどかないのではなくて、技法によって百千のかゆいところを黙殺しているだけの相違である

– 坂口安吾 -7545

64.

芸術は、自然に勝らなければならないものだ

– 坂口安吾 -7638

65.

運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである

– 坂口安吾 -7643

66.

(他校へ転校する際に新潟中学校の机の蓋の裏側に掘った言葉)余は偉大なる落伍者となっていつの日か歴史の中によみがえるであろう

– 坂口安吾 -7664

67.

法隆寺も、金色堂も、東照宮も、威勢を示してアッと云わせて、ついでにお賽銭もまきあげてやろうという料簡でできたもので、その時代に於ける最大なる俗悪精神の産物であった

– 坂口安吾 -7544

68.

いくら、なんでも、とにかく、大らかな心を忘れたもうな。自分の生活の中から、ハッキリした自分の言葉を選び、自分の言葉で物を言うことを覚えたまえ

– 坂口安吾 -7660

69.

伝統とは何か? 国民性とは何か? 日本人には必然の性格があって、どうしても和服を発明し、それを着なければならないような決定的な要因があるのだろうか

– 坂口安吾 -7563

70.

肉慾に絶望して、肉慾の実行を抛棄しても、肉慾から解放されることはできないものだ。それは遁世しても真の孤独をもとめ得ないのと同じことだ

– 坂口安吾 -7562

71.

人生はつくるものだ。必然の姿などというものはない

– 坂口安吾 -7586

72.

だいたい恋愛などというものは、偶然なもので、たまたま知り合ったがために恋し合うにすぎず、知らなければそれまで、又、あらゆる人間を知っての上での選択ではなく、少数の周囲の人からの選択であるから、絶対などというものとは違う。その心情の基盤はきわめて薄弱なものだ

– 坂口安吾 -7651

73.

職業というものは尊いものだ。なぜなら、そこにその人の一生が賭けられ、生活が賭けられているからだ。金銭もかけられている。だから尊いので、金銭のかからないものは尊くない

– 坂口安吾 -7600

74.

古いもの退屈なものは滅びるか生まれ変わるのが当然だ

– 坂口安吾 -7627

75.

プラトニック・ラブと称して、精神的恋愛を高尚だというのも妙だが、肉体は軽蔑しないほうがいい

– 坂口安吾 -7649