坂口安吾の破壊的な名言・格言134個紹介

76.

恋なしに、人生は成りたたぬ。所詮人生がバカげたものなのだから、恋愛がバカげていても、恋愛のひけめになるところもない

– 坂口安吾 -7537

77.

粋や通なるものから血の通わぬ名人芸は生れるかも知れないが、本当に民衆の血とともに育つ一流の芸術は生れない

– 坂口安吾 -7584

78.

残虐なのは戦争自体であって、原子爆弾には限らない。戦争と切り離して原子爆弾一つの残虐性を云々するのが不思議ではないか

– 坂口安吾 -7621

79.

見るからに醜悪で、てんで美しくはないのだが、人の悲願と結びつくとき、まっとうに胸をうつものがある

– 坂口安吾 -7635

80.

罪悪感を他に転嫁する口実が成りたてば、子供は潔癖好きのブレーキをすてて、好奇心の方へ一方的に走りたがる

– 坂口安吾 -7622

81.

自分がこうだから、あなたもこうしろという思いあがった善良さは、まことに救いがない。善人の罪というものは、やりきれないものだ

– 坂口安吾 -7609

82.

夫婦は苦しめ合い、苦しめ合うのが当然だ。慰めいたわるよりも、むしろ苦しめ合うのがよい。人間関係は苦痛をもたらす方が当然なのだから

– 坂口安吾 -7549

83.

人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ

– 坂口安吾 -7595

84.

芸術というものは、人間が落付きはらって、かゆいところへマンベンなく手がとどくような快適な実生活に実用品として役立つものではなく、目のとどかない不具の半面に夢や慰めを与えてくれる魔術のオモチャにすぎないものだ

– 坂口安吾 -7639

85.

生きることだけが、大事である、ということ。たったこれだけのことが、わかっていない。本当は、分かるとか、分からんという問題じゃない。生きるか、死ぬか、二つしか、ありやせぬ。おまけに死ぬ方は、ただなくなるだけで、何にもないだけのことじゃないか。生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも、死ねる。そんな、つまらぬことはやるな。いつでも出来るんことなんか、やるもんじゃないよ

– 坂口安吾 -7580

86.

私は弱者よりも強者を選ぶ。積極的な生き方を選ぶ

– 坂口安吾 -7613

87.

孤独は、人のふるさとだ

– 坂口安吾 -7626

88.

魅力のない女は、これはもう、決定的に悪妻なのである

– 坂口安吾 -7543

89.

現代の代表的な建築は、法隆寺や東照宮を摸し、幽玄や、風流や、粋をさぐったものからは生れてこないにきまっている。もっと時代的な俗悪なもの、実用的なものが、後日において、法隆寺と同じ位置に到達するものなのだ

– 坂口安吾 -7629

90.

恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない

– 坂口安吾 -7533

91.

日本に必要なのは制度や政治の確立よりも先ず自我の確立だ。本当に愛したり欲したり悲しんだり憎しんだり、自分自身の偽らぬ本心を見つめ、魂の慟哭によく耳を傾けることが必要なだけだ。自我の確立のないところに、真実の同義や義務や責任の自覚は生まれない

– 坂口安吾 -7561

92.

精神的な孤独人 ー 実は非常に交友関係がひろく、世間的な生き方をしている人でも、いつでもそれを突き放し、それを去ることができるような、根に無関心が土台になっているうちは、精神病が起りっこない

– 坂口安吾 -7577

93.

すべて娯楽教養に類するものは、教養の不足に罪のあるのを忘れて、娯楽自体を禁止しようとする暴力的な弾圧を最もつつしむ必要がある

– 坂口安吾 -7654

94.

自分と人は違うものだ。人間関係も環境も、まったく人によって別々なのが人間というものの在り方で、したがって人間関係を解く公式というものは永遠に在り得ない。めいめいが自分の一生を自分で独自に切り拓くべきものである

– 坂口安吾 -7608

95.

堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない

– 坂口安吾 -7571

96.

罪というものは、本人が悔恨に苦しむことによって、すでに救われている。悪人の心は悲しいものである。ところがここに善人の犯罪というものがあって、自ら罪を感じない場合がある

– 坂口安吾 -7623

97.

恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う

– 坂口安吾 -7532

98.

いかなる典雅な古典も、それが過去において真に生きていた時には、俗悪な実用品にすぎなかったのである

– 坂口安吾 -7661

99.

見たところのスマートさだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本物の物ではないのである。要するに、空虚なのだ

– 坂口安吾 -7636

100.

物資の秩序をハッキリさせることを知らない人は、所詮不明朗不健全で、本当の精神の価値を知らないのである

– 坂口安吾 -7548

101.

元々、愛玩用につくりあげられた存在に極まっているが、子供を条件にして子供の美徳がないのである。羞恥がなければ、子供はゼロだ。子供にして子供にあらざる以上、大小兼ねた中間的な色っぽさが有るかというと、それもない

– 坂口安吾 -7634

102.

美や芸術は、こんなところから、一番露骨な低いものから、地道に向上して、生れてくるものなのである。一応の手間が、かかるものだ

– 坂口安吾 -7551

103.

恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡び、さめるものだ、ということを知っている大人の心は不幸なものだ

– 坂口安吾 -7536

104.

問題は、伝統や貫禄ではなく、実質だ

– 坂口安吾 -7541

105.

大体に於いて、極点の華麗さには妙な悲しみが付きまとう

– 坂口安吾 -7568