31.
自分の弱点をさらけ出さずに人から利益を受けられない。自分の弱点をさらけ出さずに人に利益を与えられない。
– 夏目漱石 -7052
32.
人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ。
– 夏目漱石 -7045
33.
鏡は自惚れの醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である。
– 夏目漱石 -7068
34.
他の親切は、その当時にこそ余計なお世話に見えるが、後になると、もういっぺんうるさく干渉してもらいたい時期が来るものである。
– 夏目漱石 -7039
35.
自分のしている事が、自分の目的(エンド)になっていない程苦しい事はない。
– 夏目漱石 -7054
36.
自由な書を読み、自由な事を言ひ、自由な事を書かんことを希望いたし喉。
– 夏目漱石 -7051
37.
ナポレオンでもアレキサンダーでも、勝って満足したものは一人もいない。
– 夏目漱石 -7078
38.
四角の世界から常識と名のつく一角を摩滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでも良かろう。
– 夏目漱石 -7060
39.
人間は角があると世の中を転がって行くのが骨が折れて損だよ。
– 夏目漱石 -7044
40.
あらゆる芸術の士は、人の世をのどかにし、人の心を豊かにするがゆえに尊い。
– 夏目漱石 -7082
41.
馬は走る。花は咲く。人は書く。自分自身になりたいが為に。
– 夏目漱石 -7037
42.
人間の目的は生まれた本人が、本人自身のためにつくったものでなければならない。
– 夏目漱石 -7046
43.
真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし。
– 夏目漱石 -7047
44.
君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである。
– 夏目漱石 -7065
45.
自分の好きなものは必ずえらい人物になって、きらいなひとはきっと落ちぶれるものと信じている。
– 夏目漱石 -7053