31.
親から子に対して孝を励めよと強ゆるのは、かえって子を不孝の子たらしむるものである。
– 渋沢栄一 -7899
32.
一個人がいかに富んでいても、社会全体が貧乏であったら、その人の幸福は保証されない。その事業が個人を利するだけでなく、多数社会を利してゆくのでなければ、決して正しい商売とはいえない。
– 渋沢栄一 -7917
33.
人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。
– 渋沢栄一 -7898
34.
大金持ちになるよりも、社会万民の利益をはかるために生きる方が有意義である。
– 渋沢栄一 -7889
35.
死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、生きている時の行動が大事なのだ。
– 渋沢栄一 -7909
36.
私は他人が掛物とか屏風とかその他の書画骨董に金を出すと同様に、慈善事業に金を費やすことをもって一種の道楽と思うているくらいである。
– 渋沢栄一 -7908
37.
信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用することができる。世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造るよりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。
– 渋沢栄一 -7904
38.
お前は自分の立場に忠実なのは結構だが、同時に恕、つまり相方の立場も理解してやるという広い気持ちを持たねば、世の中に円満に処していくことはできない。
– 渋沢栄一 -7926
39.
事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
– 渋沢栄一 -7907
40.
お金をたくさん集めて、たくさん使うことで社会を活発にし、経済の発展を促すのがよい。お金持ちはよく集めると同時に、よく使わなければならない。
– 渋沢栄一 -7927
41.
得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、常操をもって道理を踏み通すように心がけて出ることが肝要である。
– 渋沢栄一 -7885
42.
道は誰でも行うことができる。人はみな道を行うだけの力がある。ただその道と力との大きさに差があるだけである。
– 渋沢栄一 -7886
43.
ことに望んで感激すれば、おのずからやる気が出て奮い立つのだ。
– 渋沢栄一 -7925
44.
大なる欲望をもって利殖を図ることに充分でないものは決して進むべきではない。空論に走り、うわべだけを飾る国民は決して真理の発達をなすものではない。
– 渋沢栄一 -7891
45.
限りある資産を頼りにするよりも、限りない資本を活用する心掛けが肝要である。限りない資本を活用する資格とは何であるか。それは信用である。
– 渋沢栄一 -7912