エーリッヒ・フロムはどんな人物?
人物名 | エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム |
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英語名 | Erich Seligmann Fromm |
生年月日 | 1900年3月23日 |
没年月日 | 1980年3月18日 |
享年 | 79歳 |
国籍 | ドイツ |
職業 | 社会心理学者 |
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- エーリッヒ・フロムは、1900年3月23日にドイツのフランクフルト・アム・マインで生まれ、1980年3月18日にスイスで亡くなった著名な社会心理学者。
精神分析と哲学の分野で広く知られており、特にマルクス主義とジークムント・フロイトの精神分析を組み合わせた社会的性格論で注目されました。フロムは、フランクフルト大学で学び始め、その後ハイデルベルク大学に移りました。
社会学、心理学、哲学を学び、1922年に学位を取得しました。1931年にはフランクフルト大学の精神分析研究所で講師となりましたが、ナチスの台頭を受けてドイツを離れ、最終的にはアメリカに移住しました。
フロムの思想は、精神分析の知見を社会情勢に適用することに特徴があります。
代表作「自由からの逃走」では、ファシズムの心理学的起源を探り、民主主義社会が取るべき道を示しています。人間が自分自身の成長と自己実現を阻害されるとき、危機に陥り、攻撃性、サディズム、マゾヒズム、権威への従属などの形で表れると主張しました。
生産的な生活を送り、人間の幸福と成長を願う人道主義的倫理を信奉することが、これらの危険な傾向から逃れる手段であると説きました。
フロムはまた、フロイトの精神分析に対しても批判的な視点を持っていました。
彼はフロイトの欲動理論に矛盾があるとし、フロイトの二元論的な思考やミソジニー(女性嫌悪)を批判。
しかし、フロムはフロイトの業績に深い敬意を表し、彼を近代の創始者の一人と位置づけました。フロムの著作は多岐にわたり、人間性、愛、社会、精神分析、宗教など、多くのテーマについて深く掘り下げています。
彼の影響は広範であり、現代の心理学、哲学、社会学においても重要な役割を果たしています。
彼は人間の自由と独立を求める戦いが、個人の成長と発展にとって重要であると考えました。
人間が自分自身の成長を妨げられるとき、神経症や権威主義、サディズム、マゾヒズムなどの形で反応すると主張。これらは、個人が自分自身の有機体としての生産性を実現することができないときに生じると彼は考えました。
フロムはまた、人間の幸福は生産的な生活と人道主義的倫理に基づいていると考えました。彼は、「幸福は徳の証である」とし、人間が生産的な生活を送り、人間の幸福と成長を願う人道主義的倫理を信奉するとき、人は幸福になると主張しました。
エーリッヒ・フロムは、20世紀の思想において重要な人物であり、彼の著作と考え方は今日でも多くの人々に影響を及ぼしています。
彼の洞察には、人間の自由、愛、社会的正義、人間性など、普遍的なテーマが含まれており、これらは現代社会においても非常に関連性が高いままです。
エーリッヒ・フロムの名言一覧
1.
人生において人がなすべき主な仕事とは、自分自身を誕生させることである。可能性としての自分を実現することである。人の努力のもっとも重要な成果とは、その人自身のパーソナリティである。
– エーリッヒ・フロム -913
2.
自分自身を信じている者だけが、他人にたいして誠実になれる。
– エーリッヒ・フロム -921
3.
他人を「信じる」ことのもうひとつの意味は、他人の可能性を「信じる」ことである。
– エーリッヒ・フロム -910
4.
人間が完全に自然から離れることはない。あくまで人間は自然の一部だ。
– エーリッヒ・フロム -915
5.
現代人は、ものごとを急いでしないと、何か、つまり、時間を損したような気持ちになる。しかし、時間つぶし以外には、浮かせた時間をどう使っていいのかは分からないのである。
– エーリッヒ・フロム -924
6.
集中力を身につけるためには、くだらない会話をできるだけ避けることが大事だ…くだらない会話を避けることに劣らず重要なのが、悪い仲間を避けるということである。
– エーリッヒ・フロム -919
7.
未熟な愛は言う、「愛してるよ、君が必要だから」と。成熟した愛は言う、「君が必要だよ、愛してるから」と。
– エーリッヒ・フロム -906
8.
愛は技術だろうか。技術だとしたら、知識と努力が必要だ。
– エーリッヒ・フロム -932
9.
一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することである。
– エーリッヒ・フロム -930
10.
愛は、人間のなかにある能動的な力である。人をほかの人々から隔てている壁をぶち破る力であり、人と人を結びつける力である。
– エーリッヒ・フロム -935
11.
自分の役に立たないものを愛する時にはじめて、愛は開花する。
– エーリッヒ・フロム -922
12.
二人の人間は、自分の交換価値の限界を考慮したうえで、市場で手に入る最良の商品を見つけたと思ったときに、恋に落ちる。
– エーリッヒ・フロム -908
13.
自分に与えなければならない課題とは、安心感を抱くことではなく、不安定な状況にも耐えられるようになることである。
– エーリッヒ・フロム -923
14.
母の愛は安らぎである。それは獲得する必要がなく、受け取る資格も問われない。
– エーリッヒ・フロム -907
15.
神学の論理的帰結が神秘主義であるように、心理学の究極の帰結は愛である。
– エーリッヒ・フロム -917