31.
わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い証明です(あらゆる透明な幽霊の複合体)風景やみんなといつしよにせはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける因果交流電燈のひとつの青い照明です
– 宮沢賢治 -7285
32.
まことの言葉はここになく、修羅の涙は土に降る。
– 宮沢賢治 -7291
33.
新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界をすばらしく美しい構成に変えよ。
– 宮沢賢治 -7265
34.
諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君はその中に没することを欲するか。じつに諸君はその地平線に於る。あらゆる形の山岳でなければならぬ。
– 宮沢賢治 -7268
35.
人はやるだけのことはやるべきである。けれども、どうしてもどうしても、もうできないときは落ちついてわらっていなければならん。おちつき給え。
– 宮沢賢治 -7261
36.
我々が出来ることは、今を生きることだけだ。過去には戻れないし、未来があるかどうかも定かではない。
– 宮沢賢治 -7276
37.
宇宙は絶えずわれらによって変化する。誰が誰よりどうだとか、誰の仕事がどうしたとか、そんなことを言っている暇があるか。新たな詩人よ。雲から光から嵐から、透明なエネルギーを得て、人と地球によるべき形を暗示せよ。
– 宮沢賢治 -7281
38.
諸君はこの時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。むしろ諸君よ。あらたな正しい時代をつくれ。宙宇は絶えずわれらに依って変化する。潮汐や風、あらゆる自然の力を用ゐ尽すことから一足進んで、諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ。
– 宮沢賢治 -7270
39.
雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだをもち 慾はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている
– 宮沢賢治 -7280
40.
もう決してさびしくはない。なんべんさびしくないと言ったとこで、またさびしくなるのは決まっている。けれどもここはこれでいいのだ。すべてさびしさと悲傷とを焚いて、人は透明な軌道をすすむ。
– 宮沢賢治 -7289
41.
求道、すでに道である。
– 宮沢賢治 -7275
42.
詩人は苦痛をも享楽する。
– 宮沢賢治 -7272
43.
諸君はこの颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る、透明な清潔な風を感じないのか。
– 宮沢賢治 -7269
44.
ぼくはきっとできると思う。なぜならぼくらがそれをいま、かんがえているのだから。
– 宮沢賢治 -7293
45.
誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸せなんだねぇ。
– 宮沢賢治 -7256