16.
地位獲得の当初は敵に見えた者のほうが、もともと味方であったものよりも役に立つことが多い。
– ニッコロ・マキャベリ -5647
17.
人間というものは、危害を加えられると思い込んでいた相手から親切にされたり恩恵を施されたりすると、そうでない人からの場合よりずっと恩に感ずるものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5668
18.
高慢な相手には、服従すれば勝てると考えるのは誤りである。
– ニッコロ・マキャベリ -5687
19.
二人の優秀な指揮官より、一人の凡庸な指揮官のほうが、よほど有益である。
– ニッコロ・マキャベリ -5636
20.
自らの地位の存亡に関わらない悪評でも、可能な限りそれを避けうるほどに賢明である必要がある。もっとも、それが不可能であれば、あまり気にすることなくそのままにしておいてよい。
– ニッコロ・マキャベリ -5680
21.
新秩序の導入は、旧制度下で上手くやってきた者すべてを敵にまわすことになる。
– ニッコロ・マキャベリ -5676
22.
人間は誰でも自分のすることについて自負心を持っているものであり、それゆえにみずから欺かれやすいのだ。
– ニッコロ・マキャベリ -5661
23.
戦いを避けるために譲歩しても、結局は戦いを避けることは出来ない。なぜなら譲歩しても相手は満足せず、譲歩するあなたに敬意を感じなくなり、より多くを奪おうと考えるからである。
– ニッコロ・マキャベリ -5657
24.
人間というものは、自分自身の持ち物と名誉さえ奪われなければ、意外と不満なく生きてきたのである。
– ニッコロ・マキャベリ -5667
25.
決断力に欠ける人々がいかにまじめに協議しようとも、そこから出てくる結論は常に曖昧で、それ故、常に役立たないものである。また、優柔不断さに劣らず、長時間の討議の末の遅すぎる結論も同じく有害であることに変わりない。
– ニッコロ・マキャベリ -5694
26.
善行は悪行と同じように、人の憎悪を招くものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5655
27.
怒り狂った民衆に平静さを取り戻させる唯一の方法は、尊敬を受け、肉体的にも衆に優れた人物が、彼らの前に姿を現すことである。
– ニッコロ・マキャベリ -5638
28.
謙譲の美徳を持ってすれば、相手の尊大さに勝てると信ずるものは、誤りを犯すはめに陥る。
– ニッコロ・マキャベリ -5690
29.
人は大局の判断を迫られた場合は誤りを犯しやすいが、個々のこととなると意外と正確な判断をくだすものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5671
30.
新しい秩序を打ち立てるということくらい、難しい事業はない。
– ニッコロ・マキャベリ -5677
31.
決断に手間取ることは、これまた常に有害である。
– ニッコロ・マキャベリ -5695
32.
困難な時代には、真の力量を備えた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や門閥に支えられた者が、わが世の春を謳歌することになる。
– ニッコロ・マキャベリ -5685
33.
人間は憎しみだけでなく、恐怖に駆られても相手に危害を加えようとする。
– ニッコロ・マキャベリ -5662
34.
戦争とは、君主の唯一の研究課題である。君主は平和を息継ぎの時間、軍事上の計画を立案して、実行に移す能力を身につける暇を与える時間とみなさなければならない。
– ニッコロ・マキャベリ -5656
35.
君主は、自らの権威を傷つける恐れのある妥協は、絶対にすべきではない。
– ニッコロ・マキャベリ -5698
36.
われわれが常に心しておかねばならないことは、どうすればより実害が少なくて済むかということである。
– ニッコロ・マキャベリ -5710
37.
持続的な成功を求める者はだれであれ、時代に合わせて行動を変えなければならない。
– ニッコロ・マキャベリ -5683
38.
次の二つは絶対に軽視してはならない。第一は、寛容と忍耐をもってしては、人間の敵意は決して溶解しない。第二は、報酬と経済援助などの援助を与えても敵対関係は好転しない。
– ニッコロ・マキャベリ -5682
39.
大衆の判断は、抽象的に説明されたときに間違う。
– ニッコロ・マキャベリ -5649
40.
誰かが助け起こしてくれるのを期待してわざと倒れても、誰も助けはしない。
– ニッコロ・マキャベリ -5648
41.
どれほど困難が控えていようとも、表面的に得になりそうなら民衆を説得するのは難しくない。反対に有益な政策でも、表面的に損になりそうな場合は民衆の賛同を得るのは大変困難である。
– ニッコロ・マキャベリ -5715
42.
祖国の存亡がかかっているような場合は、いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される。
– ニッコロ・マキャベリ -5654
43.
太陽の下には、永遠なものは存在しない。運命の女神はその変化を楽しもうとし、人間はそれによって彼女の力を明らかに知るのである。
– ニッコロ・マキャベリ -5651
44.
長所は必ず、短所を伴う。
– ニッコロ・マキャベリ -5643
45.
人はささいな侮辱には復讐しようとするが、強力な攻撃には復讐する気が失せる。
– ニッコロ・マキャベリ -5673