46.
人間は往々にして小鳥のような行動を取る。小鳥は目の前の餌だけに注意を奪われ、鷹が頭上を飛んでいるのに気付かない。
– ニッコロ・マキャベリ -5663
47.
君主は人を二種類に分けて考え、それに応じた接し方をすべきである。それは手放すことが出来ない人物か、そうでない人物かである。
– ニッコロ・マキャベリ -5697
48.
なぜ、人々の心に自由に生きることへの強い愛着が生まれてくるのか、という問いへの答えは簡単である。歴史上、自由を持つ国だけが領土を拡張し経済的にも豊かになったからである。
– ニッコロ・マキャベリ -5714
49.
相手をどんなことにしろ絶望に追い込むようなことは、思慮ある人のやることではない。
– ニッコロ・マキャベリ -5653
50.
およそ人の頭脳には三通りある。第一は自分で判断をつけるもの、第二は他人の考えがわかるもの。第三は自分でも判らず、他人の考えも判らぬもの。第一はもっとも優れ、第二も善く、第三は無能である。
– ニッコロ・マキャベリ -5717
51.
人間の意見なるものがいかに偽りに満ち、いかに誤った判断でゆがめられているかは、あきれ返るほどである。
– ニッコロ・マキャベリ -5665
52.
傭兵に守られている国というのは、敵国から攻撃を受けない間だけ命を永らえているに過ぎない。
– ニッコロ・マキャベリ -5628
53.
愚者が最後にすることを、賢者は瞬時に行う。
– ニッコロ・マキャベリ -5702
54.
決断力のない君主は、多くの場合、当面の危険を回避しようとして中立を選ぶ。そしておおかたその君主は滅んでしまう。
– ニッコロ・マキャベリ -5693
55.
政治は道徳とは無縁である。
– ニッコロ・マキャベリ -5659
56.
名将と凡将との差は、作戦能力の優劣よりも、責任観念の強弱によることが多い。
– ニッコロ・マキャベリ -5629
57.
運命の女神は、積極果敢な行動をとる人間に味方する。
– ニッコロ・マキャベリ -5708
58.
敵に対する態度と味方に対する態度を、はっきり分けて示すことである。
– ニッコロ・マキャベリ -5641
59.
必要に迫られた際に大胆で果敢であることは、思慮に富むことと同じといってよい。
– ニッコロ・マキャベリ -5635
60.
肩書が人間を持ち上げるのではなく、人間が肩書を輝かせる。
– ニッコロ・マキャベリ -5691
61.
良い進言から君主の深い思慮が生まれるのではなく、君主の深い思慮から良い進言が生まれるのである。
– ニッコロ・マキャベリ -5626
62.
中立の立場をとった場合、勝者にとっての敵となるばかりでなく、敗者からも助けてくれなかったという敵視を受けることとなる。
– ニッコロ・マキャベリ -5645
63.
やむを得ないときの戦いは正しい。武器の他に希望を絶たれたときには、武器もまた許されるものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5713
64.
変革というものは、ひとつ起こると、必ずや次の変革を呼ぶようにできているものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5634
65.
君主にとっての敵は、内と外の双方にある。これらの敵から身を守るのは、準備怠りない防衛力と友好関係である。
– ニッコロ・マキャベリ -5699
66.
民衆というものは、善政に浴している限り、特に自由などを望みもしなければ、求めもしないものである。
– ニッコロ・マキャベリ -5633
67.
議題が何であれ、進むべき方向と反対に議論は進み、本当に有益な意見を述べる者ではなく、うわべを取り繕った意見を述べる者が会議を支配する。
– ニッコロ・マキャベリ -5703
68.
わたしは現状維持には興味がない。ひっくり返したいのだ。
– ニッコロ・マキャベリ -5711
69.
人に危害を加えるときは、復讐をおそれる必要がないように痛烈にやらなければならない。
– ニッコロ・マキャベリ -5674
70.
敵と見られていた人々は、その評判を消したいという思いから、なお一層君主のために精を出すようになる。
– ニッコロ・マキャベリ -5642
71.
他社を強力にする原因を作るものは、自滅する。
– ニッコロ・マキャベリ -5652
72.
運命は材料を与えてくれるだけで、それをどう料理するかは自分しだいである。
– ニッコロ・マキャベリ -5706
73.
人間が行動する動機には、敬愛と恐怖の二つがある。しかし敬愛を重視しすぎると部下に軽蔑され、行き過ぎた恐怖で支配すると部下の心に憎悪を生む。
– ニッコロ・マキャベリ -5670
74.
軍備は何よりも優先される。
– ニッコロ・マキャベリ -5696
75.
たとえ人の生命を奪っても、財布に手をかけてはならない。人は父親を殺されたことは忘れても、遺産を失ったことは忘れないからだ。
– ニッコロ・マキャベリ -5716