近代小説の開祖スタンダールの81の名言・格言から学ぶリアリズム

46.

涙は極端な微笑である。

– スタンダール -2810

47.

幸福は伝染するものだ。もし幸福になろうと思うなら、幸福な人々の中で生きたまえ。

– スタンダール -2814

48.

急な山を登りつめて頂上に腰をおろす旅人は、ほっと一息いれるのが限りない喜びであるが、もし、永久にそうやって休息していろと無理強いされたら、彼は幸福であるだろうか。

– スタンダール -2805

49.

軽蔑というのは、馬鹿丁寧な言葉の中にいつも巧みに隠されてる。

– スタンダール -2770

50.

恋というものはなんと恐ろしい情熱だろうか。それなのに世間の嘘つきどもは、恋をあたかも幸福の源泉のように言っている。

– スタンダール -2809

51.

絶世の美人は二日目にはそれほど人を驚かさない。彼女の値打ちは誰にでもわかり、装飾品になっているのだから、彼女たちの恋人のリストには馬鹿のほうが多く数えられるに違いない。王族とか百万長者とか。

– スタンダール -2784

52.

われわれの本来の感情は利己的だ。

– スタンダール -2803

53.

私が結晶作用というのは、つぎつぎに起るあらゆる現象から、愛するものの新しい美点を発見する精神作用のことである。

– スタンダール -2840

54.

情熱的に恋したことのない男には、人生の半分、それも最も美しい半分が隠されている。

– スタンダール -2768

55.

君が僕を愛していなくてもかまわない。とにかく僕は、僕ら二人のために愛することはできる。

– スタンダール -2785

56.

小説は弓だ。そして音を奏でるバイオリンは読者の魂だ。

– スタンダール -2769

57.

恋はうぬぼれと希望の闘争だ。

– スタンダール -2822

58.

歴史家に必要な第一の要件は、発明するという能力を持たないことだ。

– スタンダール -2779

59.

すべての人を楽しませようとすればするほど、心から楽しませることができなくなる。

– スタンダール -2808

60.

老年の運命は、男女を問わず、青春をどのように使ったかにかかっている。

– スタンダール -2843

61.

幸せを言葉で語ると幸せを減らしてしまう。

– スタンダール -2829

62.

恋は他の感情とは違って、未来の期待よりも、過ぎ去った過去の記憶ほうがつねにまさるのである。

– スタンダール -2775

63.

人生のほとんどすべての不幸は、自分に関することがらについて、あやまった考え方をするところから生じる。できごとを健全に判断することは、幸福への大きな第一歩である。

– スタンダール -2773

64.

文学において政治とは、コンサートの最中に発射された拳銃のように耳障りで忌まわしいものであるが、しかし無視することもできないものである。

– スタンダール -2837

65.

旅の最大の悦びは、おそらく事物の変遷に対する驚嘆の念であろう。

– スタンダール -2833

66.

われわれが経験しうる、いつまで経っても変わらぬ最も長続きのする喜びは、自己に満足するという喜びだ。

– スタンダール -2802

67.

恋が芽生えるのには、ごく少量の希望があれば十分である。

– スタンダール -2767

68.

人は、恋をしてはじめて、すべての子供らしさから脱皮する。

– スタンダール -2836

69.

私は自分の尊敬するものしかおそれない。

– スタンダール -2783

70.

彼らが良識と呼んでいるものは、老化現象の始まりに過ぎない。

– スタンダール -2842

71.

幸福がこの上なく大きい場合には微笑と涙が生まれる。

– スタンダール -2799

72.

少しでも気取った男は不幸である。たとえ恋しているときでも、ありったけの才知を傾けても、自分の有利な点の四分の三を失う。一瞬でもつい気取ってしまうと一分後にはしらけた瞬間がやってくる。

– スタンダール -2791

73.

情熱というものは、人生におけるひとつの偶然の出来事にすぎない。この偶然は優れた人間の心にしか起こらないものだ。

– スタンダール -2807

74.

暴君に最も都合のよい観念は神の観念である。

– スタンダール -2844

75.

羊飼いはいつも羊たちに、お前たちの利害と自分の利害とは同一だ、と説得しようとする。

– スタンダール -2816