16.
君子は何事に臨んでも、それが道理に合っているか否かと考えて、その上で行動する。小人は何事に臨んでも、それが利益になるか否かと考えて、その上で行動する。
– 吉田松陰 -7236
17.
自分は志を持つ。志士の尊ぶところは何であろう。心を高く清らかにそびえさせて、自ら成すことではないか。人間たる者、自分への約束をやぶる者がもっともくだらぬ。
– 吉田松陰 -7223
18.
英雄はその目的が達成されないときには悪党や盗人とみなされるものだ。世の中の人から馬鹿にされ、虐げられたときにこそ、真の英雄かどうかがわかる。
– 吉田松陰 -7243
19.
今日の読書こそ、真の学問である。
– 吉田松陰 -7232
20.
どんな人間でも一つや二つは素晴らしい能力を持っているのである。その素晴らしいところを大切に育てていけば、一人前の人間になる。これこそが人を大切にするうえで最も大事なことだ。
– 吉田松陰 -7247
21.
成功するせぬは、もとより問うところではない。それによって世から謗されようと褒められようと、自分に関することではない。自分は志を持つ。志士の尊ぶところは何であろう。心を高く清らかにそびえさせて、自ら成すことではないか。
– 吉田松陰 -7211
22.
道を志した者が不幸や罪になることを恐れ、将来につけを残すようなことを黙ってただ受け入れるなどは、君子の学問を学ぶ者がすることではない。
– 吉田松陰 -7205
23.
賞誉されて忠孝に励む人は珍しくない。責罰されてもなお忠孝を尽す人物こそ、真の忠臣孝子である。武士たるものが覚悟すべきこと、実にこの一点にある。
– 吉田松陰 -7221
24.
世の中には体は生きているが、心が死んでいる者がいる。反対に、体が滅んでも魂が残っている者もいる。心が死んでしまえば生きていても、仕方がない。魂が残っていれば、たとえ体が滅んでも意味がある。
– 吉田松陰 -7213
25.
一つ善いことをすれば、その善は自分のものとなる。一つ有益なものを得れば、それは自分のものとなる。一日努力すれば、一日の効果が得られる。一年努力すれば、一年の効果がある。
– 吉田松陰 -7245
26.
17、18の死が惜しければ、30の死も惜しい。80、90、100になってもこれで足りたということはない。半年と云う虫たちの命が短いとは思わないし、松や柏のように数百年の命が長いとも思わない。天地の悠久に比べれば、松柏も一時蠅(ハエのような存在)なり。
– 吉田松陰 -7250
27.
今の世の中、優れた人物がいないと人は言うが、上の者が優れている人物を好むということさえすれば、人物がいないことを心配する必要はない。
– 吉田松陰 -7233
28.
満開となれば、やがて花は落ちる。太陽は南中すれば、やがて陰りはじめる。人は壮年を迎えれば、やがて老いていく。百年の間、必死で勉強すべきであり、ゆったりとくつろぐ暇などない。
– 吉田松陰 -7200
29.
士たるものの貴ぶところは、徳であって才ではなく、行動であって学識ではない。
– 吉田松陰 -7231
30.
味方の協和が得られて、初めて地形の有利さも自然の条件も役に立つのである。それ故に国家の務めを論ずる場合には、まず味方の協和の問題を取り上げねばならない。
– 吉田松陰 -7199
31.
人間には精気というものがあり、人それぞれに精気の量は決まっている。この精気なるものは抑制すべきである。抑制すればやがて溢出する力が大きく、ついに人間、狂にいたる。しかし、おのれの欲望を解放することによって、固有の気が衰え、ついに惰になり、物事を常識で考える人間になってしまう。
– 吉田松陰 -7215
32.
敵が弱いように、敵が衰えるようにと思うのは、皆、愚痴もはなはだしい。自分に勢いがあれば、どうして敵の勢いを恐れようか。自分が強ければ、どうして敵の強さを恐れようか。
– 吉田松陰 -7206
33.
夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に 成功なし。
– 吉田松陰 -7198
34.
法律をやぶったことについてのつぐないは、死罪になるにせよ、罪に服することによってできるが、もし人間道徳の根本義をやぶれば、誰に向かってつぐないえるか、つぐないようがないではありませぬか。
– 吉田松陰 -7202
35.
志を立ててもって万事の源となす。
– 吉田松陰 -7230
36.
武士の心懐は、いかに逆境に遭おうとも、爽快でなければならぬ。心懐爽快ならば人間やつれることはない。
– 吉田松陰 -7204
37.
学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。
– 吉田松陰 -7239
38.
思想を維持する精神は、狂気でなければならない。
– 吉田松陰 -7228
39.
死して不朽の見込みあらばいつでも死すべし、生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。
– 吉田松陰 -7227
40.
人間が生まれつき持っているところの良心の命令、道理上かくせねばならぬという当為当然の道、それはすべて実行するのである。
– 吉田松陰 -7216
41.
親思う心にまさる親心。
– 吉田松陰 -7220
42.
人のわずかな欠陥をあげつらうようでは、大才の士は、もとめることが出来ない。
– 吉田松陰 -7219
43.
だいたいにおいて、世間の毀誉(人から言われる事)というものは、あてにならぬものである。
– 吉田松陰 -7249
44.
学問をする眼目は、自己を磨き自己を確立することにある。
– 吉田松陰 -7238
45.
一日一字を記さば一年にして三百六十字を得、一夜一時を怠らば、百歳の間三万六千時を失う。
– 吉田松陰 -7244